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「お前のことが好きだ。俺と付き合って欲しい」

バスケ部の先輩に告白されたとき、嬉しくなかったと言えば嘘になる。
だって、先輩は誰が見ても格好いいし、優しいし、憧れている女子は多い。
でもその「嬉しい」は、あたしが求めている「嬉しい」ではなかった。

「言っておくが、俺は真剣だ。本気でお前のことが好きなんだ」

けれど、あたしは先輩の望むような返事はできなかった。
あたしには、好きな男の子がいるから。
誰よりも大好きな幼なじみがいるから。

「そうか」

あたしがそう言うと、先輩は寂しそうに笑った。少し、胸が痛む。
この翌日、あたしは隆一に告白した。

「私、ずずず、ず、ずっと、隆一のことが」

……二度と思い出したくもない、最低な告白だったけれども。


それが、あたしの一番長い一週間の始まり。